スタッフブログ

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訪問看護が行う糖尿病ケアの実際

2024年1月16日

訪問看護が行う糖尿病ケアの勉強会

私たちが訪問させていただく利用者さんの中にも糖尿病を抱えながら在宅療養を継続している方が多くいらっしゃいます。

それぞれの利用者さんの背景や病状によって困り事が異なるため、関わり方も変わってきます。

アスエイドでは埼玉県看護協会で取り組んでいる「認定看護師派遣事業」を活用し、糖尿病看護認定看護師さんをお招きして、事業所内で勉強会を開催しました。

講師は、TMGあさか医療センターで糖尿病看護認定看護師としてご活躍中の成澤明日香看護師さんで、地域の訪問診療の先生と看護師さん、居宅介護支援事業所のケアマネージャーさんにもご参加いただき、在宅での糖尿病看護についてケアの実際を学び、また意見交換をすることができました。

そこで今回は、勉強会で学んだ訪問看護が行う糖尿病ケアについて紹介します。

糖尿病とは

糖尿尿にはⅠ型糖尿病とⅡ型糖尿病があります。

Ⅰ型糖尿病とは「膵臓のインスリンを出す細胞が壊されてしまう病気」です。

Ⅱ型糖尿病とは「遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、環境的素因としての生活習慣の悪化に伴うインスリン抵抗性が加わり、インスリンの相対的不足に陥った場合に発症する」ものです。

どちらも薬剤治療や食事療法、運動療法を組み合わせて症状が悪化しないようにコントロールしていきます。

1970年以降、車や公共交通機関の充実による運動量の減少や、食生活の変化(脂質・糖質摂取量の増加、食物繊維の摂取量の減少)、過食やストレスなどによりⅡ型糖尿病患者さんの数は増加傾向にあります。

糖尿病はその初期においては「~が痛い」「苦しい」といった自覚症状に乏しいため、急いで病院を受診する方は少ないようです。

半面、糖尿病と診断されたら病気が完全に治ることはなく、治療や適切な生活習慣を継続することで健康な方と同じように生活できるようにコントロールしていくことが必要になります。

訪問看護が行う糖尿病ケアのポイント

訪問看護が行う糖尿病ケアのポイントは、3つあります。

1 シックデイについて・対処方法

2 インスリン指導方法

3 インスリン製剤の特徴

それぞれについて、以下で解説します。

1 シックデイについて・対処方法

シックデイとは 糖尿病の患者さんが発熱、下痢、嘔吐などで体調を崩したときを言います。

シックデイの引き金になりやすいものに、風邪・インフルエンザなどの感染症、胃腸炎など消化器の病気、大きなけがや強いストレスがあります。

普段インスリン製剤や血糖降下薬など血糖値を下げる内服薬を使用しているため、シックデイになると薬剤の使用を調整する必要があります。

まずはシックデイに陥らないようにワクチン接種や手洗いうがいといった感染予防対策が大切です。

また日頃の血糖コントロールがうまくいくように生活習慣を整え、適切な治療の継続が重要です。

もしシックデイに陥ってしまった場合にはどうしたらいいでしょうか?

できれば受診していただくことが望ましいです。

また、シックデイに備えてあらかじめ主治医の先生と「こういう状態になったらこうする」といった取り決めをしておくのも良いでしょう。

一般的な対処方法について以下にあげます。

(1)安静と保温

(2)脱水予防のために水分を摂る

この場合は水かお茶を1000~1500ml/日を目安にすると良いでしょう。

(3)消化の良いもの(お粥や果物、うどんなど)、糖質補給ジュースやスープなどを摂取して、絶食はしない!

(4)インスリン製剤を使用している場合は自己中断はしない

(5)経口血糖降下薬・GLP受容体作動薬は種類や食事摂取量に応じて減量・中止する

(6)可能であればこまめに血糖測定を行う(3~4時間ごと)

2 インスリン指導方法

訪問看護では、高齢糖尿病患者さんへの指導がポイントになります。

まず、高齢糖尿病患者さんの特徴には以下が挙げられます。

・個人の性格や能力、価値観が治療や指導に影響する

・ADL低下、認知機能低下、心血管イベントを発症しやすい

・誤嚥、感染、脱水を起こしやすい

・食後高血糖を起こしやすく、脱水や感染症を機に高血糖状態になりやすい

・低血糖を起こしやすい

低血糖症状の自覚に乏しいことが多く、症状として感じるときは「くらくらする」「体がふらふらする」と訴えることが多いです。

また「認知症」のような症状として現れることもあります。

「前よりもぼぅっとしていることが多い」など普段と様子が変わってきたときは低血糖の場合もありますので主治医の先生に相談してみましょう。

次にインスリン療法の指導のポイントです。

(1)視力・握力の低下がある場合

インスリン製剤の単位数が見えにくい場合は拡大鏡を使用すると見えやすくなります。

またインスリンのボタンを押す力が弱いと正しい単位数を注射できないため、工夫が必要です。

インスリン製剤に滑り止め用具を取り付けることで持ちやすく、滑りにくくなります。

専用の取り付け用具がなくても、輪ゴムを巻くことで滑りにくく力が入れやすくなることもあります。

(2)記憶力の低下がある場合

インスリン注射を実施したかどうか記憶が曖昧になってしまうと、実施していても忘れてしまい2回実施してしまう可能性もあります。

その場合は当然低血糖に陥る可能性が高くとても危険です。

例えばいつも使用している手帳やカレンダーに実施したら印をつけるというのも間違いを防ぐために有効です。

中にはスマホで管理している方もいらっしゃいました!

訪問看護ではその方の生活パターンに取り入れやすい管理方法を見つけていくお手伝いができます。

反対に、実施することを忘れてしまう場合には目につく場所に表示をしたり、携帯のアラームを活用するのも効果的です。

ご家族や周りの方のサポートが得られる場合は声掛けしていただくのも良いでしょう。

(3)生活に応じた指導

とても重要になるのが低血糖の症状や対応についてです。

低血糖は重症化すると命に危険を及ぼす状態です。

しかしながら糖尿病治療ではよく起こる緊急事態とされています。

なるべく低血糖を避けるため、以下についての指導が重要です。

・入浴や運動はインスリンの吸収速度を速めるため、ジョギングなど足の筋肉を動かす方は太ももへの注射は避ける(運動の種類によっては上腕も避ける)。

空腹時や内服・インスリン注射後すぐに入浴することは低血糖のリスクがあるため避けましょう。

内服やインスリン注射後30分は入浴を控えましょう。

・同じ部位にインスリンを打ち続けると皮膚が硬くなり吸収が悪くなります。

同じ部位(腹部なら腹部、太ももなら太もも)に注射を実施し、注射するごとに2~3センチずつずらしていくことが良いとされています。

また臍の周りはインスリンの吸収が不規則になるため、臍周囲の5センチは避けるようにします。

(4)低血糖時の対応

もし低血糖になってしまったらどう対応したらいいかについても指導しておく必要があります。

まずは低血糖症状が見られたら絶対に我慢をしないことを伝えておきましょう。

低血糖症状が出現したらブドウ糖(10g)あるいはブドウ糖を多く含む飲料を200ml程度を摂取します。

砂糖を使用する場合は20g摂取してください。

外出時も必ず携帯することも大切です。

15分以内に症状の改善がなければ同じ対応を2回くりかえしましょう。

それでも改善が見られなければ病院を受診しましょう。

また、低血糖かどうか判断が難しい場合も低血糖を疑いブドウ糖を摂取してください。

ブドウ糖の吸収とともに症状が改善していく場合は、その症状がその方の低血糖症状であったということになりますね。

症状がおさまっても再び低血糖を起こす可能性があり、次の食事までに1時間以上ある場合はご飯、パン、クラッカーなど炭水化物を1~2単位(80~160cal)摂るようにします。

重症の低血糖時にはどうしたらいいでしょうか。

もし意識があっても自分で糖分が取れない場合は近くの人にジュースを飲ませてもらうようにしましょう。

さらに経口摂取ができない場合は砂糖を唇と歯肉の間に塗り付ける方法もあります。

そして直ちに病院を受診してブドウ糖の点滴を受けるなど、適切な治療を受けてください。

低血糖を起こしやすい要因も知っておくと良いでしょう。

食事摂取量の不足やアルコールの多飲、過剰な運動でも起こりやすくなります。

また、インスリンの過剰投与で起こることは想像しやすいかと思います。

一方できちんと指導内容を守り、治療を継続すると肥満の改善や感染症の改善が図られるため、同量のインスリンでも効きすぎてしまう場合があります。

また、他の薬剤との併用でも起こることがあります。

定時での血糖測定も大切です。

(5)食事について

糖尿病治療のなかでも食事療法はとても重要な部分です。

しかし、食事が日々の楽しみである方も多く「治療食」とすると気持ちも滅入ってしまいますね。

「治療食」ではなく「健康食」と伝えてみると受け入れも変わるかもしれません。

食事は病態、年齢、ADLによって適正量が変わります。

主治医の先生や管理栄養士さんに確認しておくことが必要です。

ここでは一般的なポイントをお伝えしておこうと思います!

・3食を規則正しく食べる

・バランスよく、腹八分にする

・ゆっくり時間をかけて食べる

・野菜から食べる・寝る前は食べないようにする

・間食したい場合は朝・昼食後に一緒に食べる(間食をすることで血糖値が下がるタイミングがなくなってしまうためです)

・塩分は控えめが良いですが、控えすぎると食欲が沸かなくなることもあるので、味噌汁の量を減らしたり、漬物の量を減らすなど工夫してみると良いでしょう。

3 インスリン製剤の特徴

インスリン製剤には様々な種類があります。

高齢の糖尿病患者さんのなかには薬剤名を覚えられなかったり、製剤の型(超速攻型、速攻型、混合型、中間型、持続型など)が分からない方もいらっしゃいます。

もし緊急で普段かからない病院へ入院となった場合など、どの種類を使用しているかを正しく伝えられない可能性もあります。

製剤がペン型の場合、注入ボタンの色が種類によって異なります。

その色を覚えておくことで医療機関が使用しているインスリン製剤を調べることができます。

もし、かかりつけ医以外に受診や入院することになった場合はお薬手帳や糖尿病連携手帳、最近の血糖値がわかるものを持参することをお勧めします。

糖尿病連携手帳は糖尿病患者さんの歯科、眼科受診時にも連携が図れるようになっています。

歯科、眼科受診時にも持参して担当の先生にみてもらいましょう。

まとめ

今回は、訪問看護が行う糖尿病ケアについて紹介しました。

訪問看護が行う糖尿病ケアでは、体調管理をしながらインスリン療法を継続しながら生活することをサポートすることが重要になります。

訪問看護ステーション アスエイドでは、糖尿病の診断初期の方から、血糖コントロールが難しい方まで幅広く支援させていただいています。

看護師による生活指導から薬物療法(適切な内服の支援、インスリン療法の支援)、療養相談を実施したり、医療機関やケアマネージャー、他職種との連携を図り、シックデイの対応や緊急時の対応を行っています。

生活スタイルだけでなく、本人の認知や身体機能の低下、介護力などの様々な要因を考慮し、利用者さんのオーダーメイドの管理方法を、ご利用者さんやその家族と一緒に、アスエイドのメンバーと一緒に考えて、日々、看護ケアを提供しています。

最後まで読んでくれた看護師さん、ありがとうございました。

是非、一緒にアスエイドで働いてほしいです♡


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2022年9月1日に新規オープンした事業所です。
川越市やその近隣にお住まいの利用者さんへの訪問看護を行なっています。
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