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訪問看護が行う認知症ケアについて紹介します!

2023年4月26日

厚生労働省によると、2025年には認知症となる人が700万人を超えると言われています。

そのため、認知症への知識とケアの実践は、全ての看護師が関わる問題として考えられています。

今現在でも、認知症を抱えながら地域で暮らしている方が増えており、私たち訪問看護が認知症の方やそのご家族の支援を行う機会が多くなっています。

今回は、訪問看護が行う認知症ケアについて、詳しく紹介します。

訪問看護が行う認知症ケア 7選

訪問看護が行う認知症ケアは以下の7つが挙げられます。

  1. 状態観察
  2. 日常生活の援助
  3. 困り事の解決
  4. 身体面・認知面の治療の継続
  5. リハビリテーション
  6. 家族支援
  7. 意思決定支援

それぞれについて以下で解説します。

 1.状態観察

認知症の方に見られる症状に「取り繕い」というものがあります。

これはできたことができなくなったり、不安からそれを人に知られないように取り繕う様子のことを

います。

体調について伺っても言葉がうまく出てこないことがあり、「大丈夫」「変わりない」と訴えること

増えてきます。

また、「最近認知症の症状が強くなっている」というときは体に不調が生じている可能性があります。

ご本人の訴えだけでなく、本当に不調がないかを観察することが大切です。

体温や血圧の値を確認したり、食事や排泄状況はどうか、痛みのある部位はないかなど丁寧にみてい

きます。

2.日常生活の援助

認知症は病状の進行に伴い日常生活機能の低下も起こってきます。

歩行が難しくなってきたり、入浴や排泄が一人では困難になってくることがあります。

現在の機能を評価しながらできるだけ安全に自身で行える方法を一緒に検討します。

ケース1

「お風呂に入るように言っても後でと言われてしまい、なかなか入ってくれない」とご家族から相談

ありました。

Aさんは認知症の進行により、空間認知が低下したり身体機能の低下によって入浴という複雑な動作

つながりがうまく行えなくなっていました。

お風呂の環境を一緒に確認したり、「ここに手すりがありますね」など、声掛けもしながら誘導して

ました。

寒さや湯の温度も不快にならないよう配慮してみたところ、入浴に応じてくれました。

ケース2

「最近食事をあまり食べなくなった」というBさんは、看護師には「嫌いな食べ物はない」と訴えてい

したが、実際には摂取量が減少傾向にありました。

少しでも栄養バランスの良いものを食べてほしいというご家族の希望もあり、色々な方法を試してみ

ました。

昔使用していたお弁当箱に詰めてみたり、小鉢に分けて提供する方法を試してみました。

初めは反応が良かったものの、効果は続きませんでした。

結果的に丼にすることで比較的摂取量が増えることがわかりました。

そこで1日1回は野菜や肉類などを丼にして出すことにしました。

できていたことがいつの間にかできなくなっていることがよくあります。

訪問時には日々の様子との変化がないか確認したり、認知症の方の自尊心を傷つけないようなケアを行

います。

3.困り事の解決

病状の進行により困りごとが出てきます。

「食事は食べたのに食べていないと言う」「家に帰ると言って外へ行こうとする」などは良く耳にし

ます。

何よりご本人が「何かおかしい、他の人の話とずれている?」と自覚して不安を感じています。

記憶障害や見当識障害が要因となっていることがあります。

場合によっては薬剤で軽減できることがあります。

実は周りの人の関わり方で軽減することも可能です。

何に困っているかの抽出と、その方の生活状況などに合わせた対応方法・解決方法を探ります。

良い方法が見つかったときには、ご家族や他職種とも共有して同じように対応できるようにします。

4.身体面・認知面の治療の継続

認知症を抱えながらも身体疾患を患っている方は多く、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えてい

る方もいます。

こうした身体疾患に対しては内服薬が処方されている場合が多くあります。

皮膚疾患では軟膏などの外用薬、糖尿病が悪化するとインスリン注射を継続しなければならないこと

もあります。

初めは自分で管理できていたことも徐々に困難となり、いつの間にか薬を飲むのを忘れてしまったと

いうこともあります。

人によっては通院予約を忘れてしまって、治療が中断している場合もあります。

看護師の訪問時には受診状況や治療内容の確認を行います。

体調をうまく医師に伝えられない方の場合は、医療機関とも情報共有を図ります。

場合によっては内服薬の管理やインスリン注射の実施、軟膏や傷の処置を行います。

認知症症状が強く薬物療法を受けている方の場合も、適切な服薬ができるような支援を行います。

また薬剤の使用や変更による作用や副作用の観察も行います。

5.リハビリテーション

認知症の進行を遅らせるためにはリハビリテーションが有効であると言われています。

前述したように身体機能の低下が起こる疾患です。

リハビリを継続することで寝たきりを予防できたり、夜に良く眠れるようになることもあります。

少しでもできることが増えたり、残されている機能を維持することも可能となります。

出来なくなっていくことへの不安も軽減できるかもしれません。

体を動かすことだけでなく、昔の記憶を呼び起こすような関わりや五感を刺激しながら実施していき

ます。

6.家族支援

認知症と診断されたとき、ご本人だけでなくご家族の不安や動揺も大きいと思います。

訪問看護の利用が開始される時には診断から数年が経過していることが多いです。

訪問看護サービスの導入前から、ご家族はご本人の症状に戸惑いながらも良い方法はないかと対応方

法について試行錯誤してこられたと思います。

それまでの経過を教えていただき、また認知症の方のそれまでの人生や人となりについてもお聞かせ

ください。

認知症という疾患は、それまでの生活環境や性格などによって症状の出方も様々です。

介護されるご家族も持病があったり、お仕事をしながら介護されている方など事情も様々だと思い

ます。

相談相手として利用していただくことはもちろん、状況によっては看護師以外の他職種とも連携を図

りながら地域で過ごすことができるよう支援します。

看護師訪問時は息抜きの時間として使っていただくのも良いですよ。

7.意思決定支援

徐々に認知機能が低下していき、言葉が出なくなっていたり感情を読み取りにくくなっていきます。

認知症の方が終末期に置かれたときに、意思表示が困難となることは想像できます。

もしもこうなったらどうしてほしい、といった話を意思表示できるうちからしておくことは大切だと

思います。

しかしながら日々過ごしながら先のことを確認し合うことはなかなか難しいことかもしれません。

また予期せぬタイミングで選択を迫られる場面が来るかもしれません。

ご本人とご家族のそれまでの人生の中にある、「この人だったらこう言うかもしれない」というヒン

トを集めていきます。

訪問看護が介入してから今までの時間のなかにあるヒントも合わせてみます。

ご本人とご家族にとって良い選択ができるよう、医師やケアマネージャーとも連携しながら必要な情

報提供も行います。

アスエイドでは、認知症があっても安心して住み慣れた地域で生活が続けられるようにケアを行っていきます。

私たちと一緒に働きませんか?

2022年9月1日に新規オープンした事業所です。
川越市やその近隣にお住まいの利用者さんへの訪問看護を行なっています。
明るくスタイリッシュな事務所で、気持ちよく働くことができます!

当事業所は管理者含め全従業員が子育て中の働くママたちです。
お子様の急な発熱等や保育園・学校行事等にも皆で協力してカバーしながら働いています!
皆が同じ境遇なので子育て中のママに理解ある働きやすい環境の職場だと思います!

また、訪問看護に初めて転職する看護師さんでも安心して働けるよう、研修期間を設けております。

当事業所の理念は、個別性の高い丁寧な看護の実践です。

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