利用者さんやその家族に信頼されて、何でも相談される、安心してケアを任せてもらえる訪問看護師になるためには、”接遇マナー”を心得ていなければいけません。
”接遇マナー”とは、相手に不快な思いをさせないことを指すため、相手の立場で考えて関わることが重要です。
そこで今回は、訪問看護師が覚えておくべき接遇マナーについて紹介します。
訪問看護師が覚えておくべき接遇マナーは、基本原則である以下の5つになります。
1.あいさつ
2.言葉遣い
3.表情
4.態度
5.身だしなみ
以下で詳しく解説します。
訪問看護では、利用者さんの自宅の入退室、利用者さんに対面した時にあいさつを行います。
利用者さんの自宅の入退室時のあいさつは、「〇〇ステーションの看護師◇◇です。お邪魔します。」、利用者さんに対面した時にあいさつは、「〇〇(利用者さん)おはようございます。〇〇ステーションの看護師◇◇です。よろしくお願いします。」がおススメです。
このあいさつは、爽やか、元気がよい声で行うことが一般的ですが、訪問看護の場合は、利用者さんやその家族の声のトーン、速度、大きさに合わせること=”声のペーシング”がおススメです。
声のペーシングを行うと、相手が親近感を抱き、信頼しやすいと言われています。
例えば、体調や気分が優れず、ベッドで横になっている利用者さんにあいさつする時には、元気よく大きな声であいさつすると不快感を与えるため、近くに寄って目線の高さを揃えてから、聞こえる程度ではっきりとした声であいさつすることが望ましいです。
また、難聴でインターフォンの音が聞こえにくい利用者さんの場合は、玄関からゆっくりと大きな声で「看護師の〇〇です。」のように短文であいさつすることが望ましいです。
あいさつには、看護師の印象を与える、覚えてもらうだけではなく、利用者さんやその家族の緊張を緩和する効果があります。
利用者さんやその家族に合わせた声量やトーンであいさつできるだけでも、頼りになって相談しやすい訪問看護師になれるかもしれません。
訪問看護における言葉遣いは、敬語が基本です。
敬語で話すことは、利用者さんやその家族に敬意を示すだけでなく、看護師自身の品位を保つ効果があります。
そのため、利用者さんやその家族がフランクに話しかけてきても、訪問看護師が敬語が使っていないことで不快感を与える場合もあります。
また、「えーと」や「あのー」などの場つなぎ音は、極力使わないことがおススメです。
場つなぎ音は、会話のリズムが乱れてしまい、説得力が低下してしまうために、相手に対して頼りない印象を与えてしまいます。
医学的な専門用語を使う場合も、注意が必要です。
専門用語は、利用者さんやその家族が分かる言葉に変換して話しましょう。
訪問看護師は、利用者さんやその家族と接する時、穏やかな笑みを浮かべる、もしくは、表情を豊かにしましょう。
「目は口ほどに物を言う」と言われるように、目つきや表情は、相手に対して様々な印象を与えてしまいます。
穏やかな笑みは、相手に対して安心感、気立ての良さを与えられます。
一緒に笑う、困るように、利用者さんの感情に共感を示し、表情を豊かにすると、相手から有能に見られたり、信頼されやすいと言われます。
反対に、無表情やイライラや不安などの感情は、マスクをしていていても利用者さんやその家族に伝わっていることもあります。
適切な看護ケアを行っていても、表情一つでトラブルやクレームとなってしまうこともあります。
訪問看護師は、利用者さんやその家族と対等な関係であるという事を肝に銘じ、思いやりを持った優しい態度で関わりましょう。
具体的には、利用者さんやその家族が話をしている時には、傾聴する、目線を向けるようにしておけば、問題ないです。
そのため、態度が悪いと思われてしまう仕草や行動を覚えておきましょう。
訪問看護師が行わない方が良い仕草や行動では、顔や髪を触る、上体を揺らす、腕組みをする、視線があちこちに動く、ドアの開閉音が大きい、時計をチラチラ見る、話を聞いていない時に相槌を打つ(偽傾聴)、ため息をつくなどが挙げられます。
これらの仕草や行動は、無意図的に行っている場合もあるため、利用者さんやその家族が話をしている時には、傾聴しつつ、意図的に背筋を少し伸ばしておくと良いと思います。
訪問看護師は、髪をまとめる、爪を切っておくなどの身だしなみを整えることは、安全に看護ケアを行うためには、不可欠です。
それだけではなく、身だしなみを整えることには、清潔感と好印象を与え、円滑なコミュニケーションが図りやすくなる効果があります。
そのため、出勤前には髪(寝ぐせ、前髪の、髪をまとめる)、爪、顔(化粧の濃さ、テカリ、ひげ)、靴下とユニフォームを確認すると良いと思います。
今回は、訪問看護師が覚えておくべき接遇マナーについて紹介しました。
接遇マナーとは、適切なあいさつ、言葉遣い、表情、態度、みだしなみをすることで、相手に不快な思いをさせないことを目的に行います。
しかし、いくら訪問看護師が、接遇マナーに気を付けて、相手の立場で考えて関わっていたとしても、人間には相性があり、関係性をうまく築けないこともたまにあります。
そんな時には、1人で悩まず、ステーションの仲間と一緒に語らい、解決策を検討したり、担当変更をしたりしながら、それぞれの看護師らしく仕事することが一番だと思います。
訪問看護ステーション アスエイドでは、スタッフ間が腹を割って話せる関係性をモットーに困ったらすぐに相談する、一人で悩まない職場づくりを行っています。
初めての訪問看護で自信がないという看護師さんでも、是非、アスエイドで一緒に働いてほしいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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