脳血管疾患は、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)をはじめとする疾患で、後遺症により日常生活に支障をきたすことが少なくありません。
脳血管疾患患者のほとんどは、入院加療後に在宅復帰しており、訪問看護はその生活を支える重要な役割を担っています。
そこで今回は、訪問看護における脳血管疾患の利用者さんへのサポート内容や具体的なケアのポイントについて紹介します。
訪問看護師が行う脳血管疾患の在宅ケアは、以下の5つが挙げられます。
1. 健康管理と再発予防
2. リハビリテーションの継続
3. 日常生活動作(ADL)のサポート
4. 介護負担の軽減
5. 医療的処置
それぞれについて詳しく解説します。
脳血管疾患の利用者さんは、血圧管理や再発予防が重要です。訪問看護では、定期的な健康チェックを行い、病状の悪化を防ぎます。
例えば、血圧が高くなる時間帯を把握し、朝晩の血圧測定を徹底することで、薬の服用タイミングを適切に調整することができます。
また、生活習慣の見直しとして、塩分を控えた食事の提案や軽い運動の指導も行います。
・血圧・脈拍・体温・意識レベルkの定期チェック
・服薬管理のサポート(飲み忘れ防止・副作用の確認)
・再発予防のための生活指導(食事・運動・ストレス管理)
脳血管疾患の後遺症として、麻痺や言語障害が残ることがあります。
適切なリハビリを続けることで、機能の維持・回復が期待できます。
脳血管疾患の利用者さんの多くは、入院時のリハビリ担当者から自宅でできる自主トレーニング表をもらっています。
利用者さん一人でもできる運動となっていますが、1人では運動の継続が難しい方が多いため、訪問看護師が一緒に行う事でリハビリテーションの継続になります。
また、言語障害がある場合は、簡単な発声練習やジェスチャーを取り入れたコミュニケーション訓練を行うことも有効です。
・理学療法士・作業療法士と連携し、自宅での運動療法を実施
・関節の拘縮予防や筋力維持のためのストレッチやトレーニング
・言語療法や嚥下訓練を取り入れ、日常生活動作の向上を目指す
脳血管疾患の後遺症により、食事や排泄、入浴などの日常生活動作が困難になることがあります。
訪問看護では、これらの動作を支援し、生活の質を向上させます。
例えば、嚥下機能が低下している患者には、とろみをつけた飲み物を提供し、誤嚥を防ぐ工夫をします。
排泄面では、便秘を予防するために、食物繊維を多く含む食事や水分摂取の指導を行います。
・食事介助や嚥下訓練で安全に食事ができるよう支援
・排泄ケア(トイレ誘導・オムツ交換・便秘予防の指導)
・清潔保持のための入浴・洗体・口腔ケア
家族の介護負担が大きくなることが多いため、訪問看護は介護者へのサポートも重要な役割を担います。
例えば、患者の体位変換が難しい場合、ベッドの高さを調整することで介護者の負担を軽減できます。
また、介護方法について具体的なアドバイスを行い、無理のない介護体制を構築する手助けをします。
・介護方法のアドバイスや技術指導
・介護負担を軽減するための相談・メンタルケア
・必要に応じて福祉用具の導入や介護保険サービスの活用支援
訪問看護では、医師の指示のもとで医療的処置を行い、在宅で適切なケアを提供します。
例えば、褥瘡(床ずれ)ができやすい患者には、体圧分散マットレスの使用を提案し、定期的に体位変換を行うことで症状を防ぎます。
また、在宅酸素療法を行う患者には、酸素濃縮器の使い方や緊急時の対応方法を家族と共有し、安心して療養できる環境を整えます。
・点滴管理やカテーテル管理などの医療処置
・床ずれ(褥瘡)予防とケア
・呼吸管理(吸引・在宅酸素療法など)
脳血管疾患を抱える患者の在宅ケアでは、健康管理、リハビリ、ADL支援、介護負担の軽減、医療的処置が重要なポイントとなります。
訪問看護を活用することで、適切なケアを受けながら安心して生活を続けることができます。
ぜひ、訪問看護を積極的に活用し、在宅療養を支える体制を整えていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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