訪問看護では、利用者さん宅に行き、看護ケアを提供するだけでなく、利用者さんの情報管理、一緒に働く看護師やリハビリスタッフとの連携、医師やケアマネジャーとの報連相のために、空き時間に事務作業を行います。
そこで今回は、訪問看護師が行う事務作業のすべてを紹介します。
訪問看護師が行う事務作業は、以下の7つになります。
1.看護記録
2.計画書と報告書の作成
3.スケジューリング
4.連絡
5.レセプト業務
6.医療物品の管理
7.資料作成
それぞれについて、紹介します。
看護記録とは、訪問看護師が、利用者さんの観察した項目、実施したケアの内容と評価などの情報を文書化する事務作業になります。
訪問看護は、平均して週に1~2回、30~60分とわずかな時間しか関われないため、利用者さんやその家族、看護ケアを行う訪問看護師だけでなく、医師やケアマネジャーなどの多職種と連携するためにも、経過や状況が正しく分かるように記録しなければいけません。
しかし、日々の訪問看護では、利用者さん宅で看護ケアを行っている合間で記録することが難しく、移動中や事務所に戻ってから記録することが多いです。
そのため、訪問看護ステーション アスエイドでは、業務効率化のために電子カルテで看護記録を行っています。
電子カルテを利用すると、過去の看護記録を参照したり、画像や動画のデータを取り込むことで文書の簡素化ができたり、音声入力を活用することができます。
計画書とは、利用者さんの目標と課題、具体的な看護ケアの内容と評価を記載する書類で、定期的に医師、利用者さんに提出する義務があります。
報告書は、ひと月に行った看護ケアの内容と評価を記載する書類で、定期的に医師に提出する義務があります。
訪問看護ステーション アスエイドでは、計画書と報告書を毎月作成し、医師とケアマネジャーへ提出し、情報共有を行っています。
また、計画書は毎月、利用者さんに提出し、説明と同意を行っています。
スケジューリングとは、日々の訪問スケジュールを作成するだけでなく、契約、担当者会議、同行訪問、往診同行などの突発的な予定を作成することも含まれます。
多くの場合は、スケジューリングを管理者が行いますが、担当制で運営しているステーションではそれぞれのスタッフで行う場合もあります。
訪問看護ステーション アスエイドでは、事務員が電子カルテ上の訪問スケジュールを提供を参照して作成し、管理者が別のフォーマット(スプレッドシート)で日々のスケジューリングを行っています。
そして、管理者から翌日のスケジュールがスタッフに共有されて、オンコール当番の看護師が電子カルテの訪問スケジュールと管理者が提出した訪問スケジュールの相違がないか、ダブルチャックを行っています。
開設以来、スタッフ全員でスケジューリングを協同しているため、訪問漏れは”0”です(^▽^)/
連絡とは、利用者さんの最近の知見について電話やチャットなどのコミュニケーションツールを用いて医師やケアマネジャーなどの多職種に報連相をすること、訪問看護の時間や日にちの振替などを電話で依頼することになります。
医師やケアマネージャーに報連相をするチャットは、医療介護専門のコミュニケーションツールのMCS(Medical Care Station)があります。
MCSは、パソコン・タブレット・スマートフォンからログインすることで、医師、ケアマネジャー、薬剤師、看護師、リハビリスタッフ、ヘルパーなどの多職種が、利用者さんごとに作成されたチャット内で情報共有から報連相がメッセージのやり取りでできます。
日々の訪問業務中に連絡をしなければいけないため、社用携帯を支給しているステーションが多いと思います。
訪問看護ステーション アスエイドでは、通話無制限の社用携帯が支給され、電話連絡やMCSで使用しています。
レセプト業務とは、ひと月の訪問看護の費用を請求すること、ケアマネジャーに訪問実績を報告することの2つになります。
訪問看護の費用の請求では、介護保険または医療保険で支払ってもらう費用をデータ化し、国民健康保険団体連合会に送付した後に、利用者さんへ自己負担分の費用を請求します。
請求では、実際に行った日々の訪問看護の実績の確認だけでなく、緊急時訪問加算、特別管理加算、ターミナルケア加算、深夜訪問看護加算などの加算があるため、それぞれの利用者さんで算定漏れがないか確認しなければいけません。
レセプト業務は、訪問看護の事務作業で最も大変であり、月末になると管理者と事務員で懸命に頑張ってくれています。
医療物品の管理とは、体温計や血圧計、パルスオキシメーターなどの医療器具、ガーゼや包帯、消毒液、軟膏などの創傷処置の物品、手洗い物品、エプロンなど様々な必要物品をステーション内にストックしておくことになります。
多くの場合は、事務員の方が在庫確認と補充を行っていると思いますが、事務員がいない場合には看護師が行う必要があります。
訪問看護ステーション アスエイドでは、事務員がすべて行ってくれています。
臨時で必要になった物品に関しては、すぐに購入してくれ、日々、感謝をしています。
資料作成とは、サマリー、医師への情報提供、デイケアやショートステイ先の看護師への看護ケア伝達、家族への介助伝達、自主トレーニング表、サービス担当者の照会などの突発的かつ、必要に応じて作成する文書になります。
※サービス担当者の照会:利用者さんのケアプランが変更された際に、サービス担当者会議を行わずに近況や意見を交換するための書式。
上記の資料作成は、事務所に戻り、パソコンを使用して行ったり、文書を作成してFAXする必要があります。
稀に資料作成が立て込んでしまった時には、事務所でほっと一息つく暇なく、パソコンに向かい合っている場合もあります(泣)。
今回は、訪問看護師が行う事務作業を6つ紹介しました。
訪問看護の事務作業は、日々の訪問業務の合間に行わなければいけないため、業務負担感となりやすいと思います。
訪問看護ステーション アスエイドでは、計画書や報告書の作成、利用者さんの体調や病状に対する連絡などの看護師にしかできない事務作業以外は、事務員へお願いし、訪問業務に集中できるように努めています。
訪問看護の未経験の看護師さんでも、安心して働けると思います!!
働き方の電話やメールでの相談、雰囲気を感じるための事務所見学など気軽にお問い合わせください!!