訪問看護では、利用者さんやその家族に寄り添った看護ケアが求められるため、訪問看護師が意向と異なるケア、態度、コミュニケーションを取ってしまうと、クレームを受けることがあります。
訪問看護師が落ち込んでしまう、仕事がつらいと感じてしまう大きな要因です。
そこで今回は、訪問看護におけるクレーム対策について紹介します。
訪問看護におけるクレームは、以下の4つに分けられます。
1.ケアの満足度
2.遅延やスケジュール変更
3.態度や言動
4.個人情報の取り扱い
それぞれのクレームの解説、対策について以下で紹介します。
訪問看護師は、適切なケアを提供しなかったと利用者さんやその家族が感じてしまった時、クレームを受けることがあります。
例えば、「入浴ケア時の洗体が不十分だった」、「浣腸や爪切りの手技で出血させてしまった」、「マッサージをしてほしかったが、関節運動で終わってしまった」などがあります。
ケアの満足度によるクレーム対策では、ケアの質を向上させるようにステーション内で取り組みことも重要ですが、それより何よりも”コミュニケーションを積極的に行う事”が最重要です。
コミュニケーションでは、ケア前には説明と同意を得る、ケア中やケア後には感想や要望を聴取することでケアの満足度を高められると思います。
ただし、利用者さんやその家族のいい名入りになって看護ケアをするという訳ではありません。
訪問看護師としてできる事、できない事、医学的な知見からさせてもらいたい事について丁寧に説明し、お互いに対等な関係で意見を言えるように関わりましょう!
訪問看護は、時間割で利用者さん宅に訪問する予定を立ていますが、交通渋滞や急な着信による停車で遅延したり、スタッフの休みや緊急対応によるスケジュール変更が多々あります。
利用者さんやその家族の中には、訪問看護の時間に合わせて準備をしてくれていたり、他の予定が詰まっていたり、生活のリズムを乱されたくない場合があり、遅延やスケジュール変更をした時にクレームを受けることがあります。
遅延やスケジュール変更によるクレーム対策では、利用者さんやその家族の人となりを把握する、利用者さんとその家族、看護師が対等な関係(信頼関係)を築くために、”コミュニケーションを積極的に行う事”が重要です。
看護師が利用者さんやその家族の生活リズムやスタイルを雑談をしながら聴取しつつ、看護師の業務事情について理解してもらえるようにお互いの話を気軽にできると良いと思います。
訪問看護師の態度や言動が利用者さんやその家族に不快感を与えてしまった時、クレームを受ける時があります。
不快感を与えてしまう要因としては、言葉遣いや声のトーンと大きさ、利用者さんとうまく話ができない不安や自信のなさ、タイムプレッシャーによる看護師自身の焦りなども考えられますが、ほとんどの場合、傾聴ができていない事が原因です。
態度や言動によるクレーム対策では、”コミュニケーションにおいて積極的に傾聴する事”が重要です。
多くの看護師は、傾聴することの大事さを学んでおり、利用者さんの話には相槌を打つながら話を聞くように気を付けていると思います。
しかし、傾聴とは相手の話を聞くことだけでは不十分です。
利用者さんやその家族に不快感を与えない傾聴では、相手の感情を引き出すように会話のキャッツボールを行う事が重要です。
例えば、「肩の夜間痛があり、眠れなかった。」と利用者さんから言われた場合。
その痛みの起因、痛みの程度、現在の体調などについてフィジカルアセスメントをするだけでなく、「眠気があってつらくないか?」、「今日の夜の不安はないか?」などの利用者さん自身の感情に対する質問を行います。
利用者さんやその家族は、自分の感情を理解し、共感してくれている訪問看護師に対して好意的かつ信頼を寄せてくれるため、声のトーンが低かったら心配してくれ、焦っていたら気を利かせてくれるため、看護師の態度や言動でクレームを言うことはないと思います。
訪問看護では、利用者さんの医学的な情報だけでなく、自宅で知りえた情報など、数多くの個人情報を聞きます。
特に自宅で知りえた個人情報は、利用者さんが安心して訪問看護師に話してしまった内容などもあるため、無暗に情報共有することで、利用者さんやその家族からクレームを受ける場合があります。
個人情報の取り扱いによるクレーム対策では、看護師が対等な関係(信頼関係)を築き、ケアマネージャーなどの関係各所への情報共有する許可、看護師の胸に収めておくべきなのかの判断ができるように、”コミュニケーションを積極的に行う事”が重要です。
今回は、訪問看護におけるクレーム対策について紹介しました。
在宅で療養している利用者さんやその家族は、様々な不安があるために訪問看護を利用しています。
訪問看護では、抱えている病気や障害に対してケアするだけでなく、利用者さんやその家族の望みに寄り添ったケアが必要となります。
そのため、利用者さんやその家族からクレームを受けた時には、”日々のコミュニケーション不足”により、看護師が寄り添い切れていなかった、共感できていなかったことが原因だと考えます。
訪問看護ステーション アスエイドでは、スタッフ間が腹を割って話せる関係性をモットーに困ったらすぐに相談する、一人で悩まない職場づくりを行っています。
初めての訪問看護で自信がないという看護師さんでも、是非、アスエイドで一緒に働いてほしいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
気軽に、就職相談、見学などのお問合せ、お待ちしてます!