訪問看護は、利用者さんの主治医が発行する訪問看護指示書に基づいて必要な看護ケアが実施されます。
サルコペニアやフレイルのような老年症候群、脳血管疾患や神経変性疾患のような生活の自立度が低下してる方、ガン末期などによりターミナルケアが必要な方などなど、様々な課題がある利用者さんに対応するため、医師との連携は必要不可欠です。
そこで今回は、訪問看護師と医師との連携について紹介します。
訪問看護師と医師との連携では、以下の3つを行います。
1.情報共有
2.治療や療養の相談
3.緊急時対応
それぞれについて、解説します。
訪問看護師は、利用者さんの病状の経過、看護ケアの結果などの情報を定期的に共有する必要があります。
情報共有の方法は、訪問看護報告書、情報提供書、医療用のSNSがあります。
訪問看護報告書とは、訪問看護指示書を交付する主治医に対し、訪問看護を提供した内容を報告するための書類であり、概ね月に1回作成し、送付します。
情報提供書とは、訪問看護指示書を発行していない医師への受診時、利用者さんや家族が医師とコミュニケーションが難しい場合など、受診時に利用者さんに持参してもらう書類となっています。
例えば、皮膚トラブルが発生して皮膚科に受診する場合、高齢の利用者さんと家族で受診する時に、医師へ質問すること、相談することを忘れてしまう場合が考えられます。
医療用のSNSとは、利用者さんごとにチャットルームがあり、医師、看護師、ケアマネジャーなどの関係者がチャットでコミュニケーションできるツールになります。
訪問看護ステーション アスエイドでは、メディカルケアステーション(MCS)やLineワークスを活用しています。
訪問看護では、病院とほとんど変わらない医療的処置を在宅で実施します。
そのため、訪問看護指示書に記載されている療養上の注意点、医療処置の指示(注射や点滴の内容、吸引、人工肛門や膀胱の管理)などをよく確認しなければいけません。
もしも、指示書の不明点や治療に関して分からない事、状態変化時の対応方法などの医師に聞きたい場合には、電話もしくは、医療用SNSで相談します。
また、治療方針や予後、病状の説明と理解の程度、在宅生活を支援する上での課題や注意点などの療養上の相談についても、電話もしくは、医療用SNSで医師に聞くことがあります。
訪問看護は、利用者さんの体調変化や病状悪化があった場合、転倒した場合、医療機器のトラブルが発生した場合など、緊急時にファーストコールをもらい、緊急訪問を行う事があります。
このような緊急時は、訪問看護師が状態確認した後の対応が主治医が外来の場合と訪問診療の場合で異なります。
主治医が外来の場合、看護師の判断で救急搬送するか、どうかを決めます。
救急搬送が必要でない場合には、主治医への報告と今後の対応について電話で相談します。
主治医が訪問診療の場合は、看護師が状態確認後に、必ず主治医への報告と今後の対応について電話で相談し、指示に合わせた行動をします。
救急搬送が必要であり、訪問診療の医師が搬送先の病院を探し、看護師が救急車を呼んで受診準備を進めることもあれば、看護師の後に緊急往診の対応になったり、口頭指示で看護師が医療処置を行うことがあります。
緊急時対応では、訪問看護師が落ち着いた状態で情報を整理し、端的に医師に伝えることが大事になります。
しかし、緊急時の現場にいる訪問看護師は、慌ててしまい、利用者さんの状態確認がままならなかったり、電話連絡の不安を感じてしまう場合もよくあります。
そんな時には、まずは管理者に電話して指示を仰ぎ、管理者とともに状況把握を行っていくことで落ち着きを取り戻せると思います。
今回は、訪問看護師と医師との連携について紹介しました。
訪問看護師は、医師の指示に基づき、看護ケアを提供しているため、医師に判断、許可してもらわなければできないことが多々、あります。
そのため、訪問看護師は、上記で解説した内容を念頭に入れ、医師との定期的な情報共有、相談を行うように心がけましょう。
病院勤務のように身近に医師がいて報連相ができるわけではないので、始めのうちは文章作成に戸惑ったり、電話での話し方に迷ったりすることが多いかもしれません。
慣れるまでは、管理者、もしくは同僚の看護師のサポートを受けながら徐々に自立していければと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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