訪問看護ステーションの利用者さんは若年層から高齢層で、先天性疾患、脳血管疾患、悪性新生物、神経変性疾患、精神疾患、循環器疾患など主たる傷病名が様々です。
そのため、それぞれの利用者さんに対する関わり方を日々、勉強することが求められます。
そこで今回は、訪問看護ステーションでの勉強会について紹介します。
訪問看護ステーション内で行う勉強会は、以下のテーマを取り扱います。
1.医療知識と看護ケア技術のアップデート
2.コミュニケーションスキル
3.倫理的、法的な問題
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
訪問看護ステーションでは、様々な疾患と病態、家庭環境を持った利用者さんがいるため、医療知識と看護ケア技術のアップデートが必要になります。
医療知識と看護ケア技術のアップデートする方法では、外部のセミナー、学術大会、事業所内勉強会があります。
外部のセミナーでは、近隣の医療機関や製薬会社などが主催した勉強会、帝人やNsSPACE、ビジケアなどの訪問看護関連会社が主催するオンラインセミナーがあり、費用は無料から数千円であることがほとんどです。
学術大会は、日本褥瘡学会学術、日本地域看護学会、日本緩和医療学会学術総会などなど様々ありますが、働く看護師の興味・関心が高い学会に参加します。
外部のセミナーや学術大会の費用は、会社が負担し、スタッフへの伝達講習を行うことが多いと思います。
事業所内の勉強会では、働くスタッフが講師として行う場合、呼吸器などの医療機器メーカーの方を講師として行う場合、地域にいる認定看護師を講師として行う場合があります。
認定看護師を講師として来てもらいたい場合には、「認定看護師派遣申し込み事業 ○○県」のようにウェブ検索してもらうと、各都道府県の看護協会のホームページで申し込むことができます。
認定看護師の派遣希望の日時を申込むことで、事業所内で2時間程度の勉強会を開催できます。
是非、活用してみてください!
訪問看護師は、在宅療養する利用者さんやその家族にとってもっとも身近な医療者であり、困っていること、悩んでいること、今の感情や思いを理解し、精神的な支柱になることが望ましいです。
そのためには、医療知識や看護ケア技術以上に、コミュニケーションスキルが必要になります。
訪問看護師が必要となるコミュニケーションスキルとは、傾聴、共感、応答になります。
利用者さんやその家族の話を引き出して、正しく聴いて、気持ちに寄り添ってから話すことができる看護師が理想的だと思います。
コミュニケーションスキルは、心理学的な視点についてステーション内で勉強会を開催することも良いですが、実践現場を見ることがもっとも学びになります。
そのため、コミュニケーションスキルを高めるためには、様々な訪問看護師と同行訪問を行い、傾聴・共感・応答をどのようにしているか見学することが良いです!
是非、空き時間には同行訪問をしましょう!!
訪問看護師は、利用者さんが自宅で安全、安心、安楽に療養できるように支援していきますが、看護師の倫理的な問題、医療保険や介護保険の法的な問題に悩むことが度々あります。
看護実践における倫理としては、下記のフライの倫理原則に基づいて考えます。
無害:患者に危害を加えない
善行:患者にとって最善の利益を行う
自律の尊重:患者が決定した内容を尊重する、インフォームドコンセント
公正・正義:必要なケアや予防知識を、患者の健康状態やニーズに応じて提供する
誠実・忠誠:噓を言わない、守秘義務、個人情報保護
倫理的な問題の例は、看護師は点滴をしなければいけないが、利用者さんが自己抜去してしまうリスクがある場合、身体拘束以外でどのように関わることで利用者さんにとって無害で医療ケア(善行)をする方法を検討する、などが考えられます。
訪問看護師は、一人で利用者さんの自宅にいることが多いため、様々な倫理的な問題に悩むことがあります。
倫理的な問題は、学術的な倫理的意思決定モデルを活用するだけでなく、看護師個々の価値観、経験参照するべきであるため、訪問看護ステーション内のカンファレンスなど、スタッフが集まったタイミングで議題として意見交換=勉強会を行います。
法的な問題の例は、訪問看護師に、注射や点滴など医師の指示なく医療行使をお願いする、調理や買い出しなどのヘルパー業務を依頼する、利用者さんやその家族からの金銭や贈り物を受け取る、などが挙げられます。
法的な問題に関しては、問題事例が生じた際に主任もしくは管理者に報告し、法的な知識を共有したのちに利用者さんへの対処を行います。
法的な問題事例が生じた場合は、カンファレンスで全体共有=勉強会を行います。
今回は、訪問看護ステーションでの勉強会について紹介しました。
日々の訪問看護業務、働くスタッフとの報連相、カンファレンスでも充分に医療知識や看護ケア技術のアップデート、コミュニケーションスキル向上、倫理的・法的な問題の解決は可能です。
そのためには、訪問看護ステーションで働くスタッフ間が面と向かって話す機会がある職場が理想的であると思います!
訪問看護ステーション アスエイドでは、スタッフ間が腹を割って話せる関係性をモットーに困ったらすぐに相談する、一人で悩まない職場づくりを行っています。
初めての訪問看護で自信がないという看護師さん、訪問看護経験者でスキルアップしたい看護師さんは、是非、アスエイドで一緒に働いてほしいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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