訪問看護は、利用者さんが自宅で安心、安楽に療養生活を送る上で非常に重要であり、心身の健康だけではなく、人生の満足度を上げる役割もあります。
訪問看護の利用者さんが自分らしい人生を送れるようにサポートすることで、生活の質(QOL)を高められます。
そこで今回は、訪問看護師ができる利用者さんのQOLを高める関わりについて、詳しく紹介します!
訪問看護師ができる利用者さんのQOLを高める関わりは、以下の6つがあります。
1.健康状態に応じた看護計画
2.家族への支援
3.メンタルケア
4.利用者さんの要望に応じたケア
5.安全な生活環境の提案
6.計画の評価と修正
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
訪問看護の利用者さんは、心不全や呼吸器疾患、がん、糖尿病、神経変性疾患などの慢性疾患を複数診断されている多疾患併存の高齢者が多くを占めます。
そのため、訪問看護師は利用者さんの健康状態や病状を把握し、主治医やケアマネジャーと連携しながら、その時々で最適な看護計画を立案します。
利用者さんの健康はQOLに直結するため、維持、もしくは向上させるための目標も計画に含まれます。
この看護計画は、病状の進行や回復、体調の変化などに応じて柔軟に調整されます。
訪問看護師は利用者さんだけでなく、家族も含めて支援することが業務特性となります。
家族への支援では、医療的処置や介護方法の指導、介護疲れの確認と相談、利用者さんとのコミュニケーションの橋渡し、家族の想いや考えの傾聴などがあります。
家族の相談や傾聴を行う際には、利用者さんの前で行うと話しにくい内容があるかもしれないため、帰り際の玄関前で話す、電話を活用するなど、工夫が必要です。
多くの家族は、利用者さんの前では「困っていない」、「大丈夫」とつい話してしまう傾向があります。
訪問看護師は病院看護師に比べ、利用者さんやその家族と対話と傾聴する時間が多い傾向があります。
その対話と傾聴によるメンタルケアが大事な業務であり、利用者さんのQOLを高めるために役立ちます。
利用者さんとの対話では、体調管理のための食事、睡眠、排便などの内容だけでなく、利用者さんの好きなこと、歴史についても行います。
対話を通して関係性が構築できてきたら、利用者さんの感情や思考、悩みについて傾聴を深めていきます。
利用者さんは、自分の感情や思考を看護師に共有できた、共感してもらえることでストレスや不安の軽減が図れます。
また、病状が安定していない利用者さんの場合、疾患に対する不安や憂鬱感に陥りやすい傾向があります。
この時、身近な医療者である訪問看護師は、疾患に対する治療内容について説明したり、質問を受けて返答、もしくは主治医に確認を行うようにし、安心感を提供しましょう!
訪問看護の利用者さんは、多疾患併存の健康状態の問題だけでなく、疾患による運動や感覚の障害、加齢に伴う筋力や柔軟性の低下が生じており、利用者さんの意向や要望は多岐に渡ります。
そのため、「トイレまでは歩きたい」、「日中は車椅子に起きて過ごしたい」、「趣味を続けたい」などの利用者さんの意向や要望に合わせた看護計画を立案しましょう!
自分の意向や要望を尊重してもらえることで、利用者さんのQOLは高まります。
それだけでなく、利用者さんの努力や小さな成長に対するポジティブフィードバックを併せて行うことで利用者さんの自己肯定感を高めることができ、QOLの向上にも繋がります。
訪問看護師は、利用者さんが自宅で安心・安楽に生活できるように生活環境の改善に向けての提案を行います。
安全な生活環境の提案では、主に動線の改善、転倒予防、薬剤の管理を行います。
動線の改善では、利用者さんの移動手段が車椅子なのか、歩行器なのか、伝い歩きなのか、について確認し、ベッドからトイレ、キッチン、浴室などの動線上の道幅や安全な支持物(手すりだけでなく、重い棚や椅子も含む)、照明について提案を行います。
転倒予防では、動線上の床の整理整頓、玄関や浴室などに滑り止めマットの設置、トイレや段差などに手すりの設置、介護用ベッドや柵の導入などの提案を行います。
薬剤の管理では、利用者さんの服薬コンプライアンスが低い、もしくは薬剤を紛失するリスクがある場合、決まった場所にまとめて置いたり、利用者さんが分からない場所で看護師が保管しておきます。
訪問看護師は、最低月に1回の頻度で利用者さんの健康状態や看護ケアの効果を評価し、必要に応じてケア内容や計画を修正します。
これにより、利用者さんの状態変化に迅速な対応ができ、常に最適なケアを提供できるように努めましょう!
訪問看護師は利用者さんの自宅に1人で伺い、サービス提供を行うため、自分自身の行っている事への不安を感じる場合、一人では気づけなかったことがある場合もあります。
そのため、不安を感じている利用者さんに対しては、同行訪問をしてもらい一緒に考えてみたり、先輩看護師に適宜相談したり、カンファレンスで議題に挙げて全体で検討したりしましょう。
状態が安定している利用者さんであれば、積極的に代行訪問を行い、自分以外の看護師の目で見てもらうことで知見が広がることがあります!
今回は、訪問看護師ができる利用者さんのQOLを高める関わりについて紹介しました。
今回紹介した関わり以外にも、利用者さんのQOLを高められる関わりはたくさんあると思いますが、訪問看護師が、利用者さんの想い・感情・考えを丁寧に傾聴し、個別的で柔軟な看護ケアを行うことでっ確実にQOLを高めることはできます。
是非、傾聴力を鍛えていきましょう!!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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初めての訪問看護で自信がないという看護師さん、訪問看護経験者でスキルアップしたい看護師さんは、是非、アスエイドで一緒に働いてほしいと思います!
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