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訪問看護にできないことを知ると見えてくる多職種連携の重要性

2025年2月10日

訪問看護では、利用者さんやその家族が安心、安楽に療養生活が送れるように医療的ケアから生活動作ケアなどの様々なサービスを提供できますが、すべてのニーズに対応できるわけではありません。

基本的には指示書に書かれていること、ケアプランに立案されていること以外は、サービス提供してはいけないとなっていますが、訪問看護師が利用者さんやその家族の身近な医療者であり、理解者であることが多く、様々なニーズを聞くことがあると思います。

こんな時、訪問看護が提供できるサービスの範囲や限界を知っておくことで、ケアマネジャーへの報連相、多職種連携がスムーズにできると思います。

そこで今回は、訪問看護にできないことと対応策について、紹介します。

訪問看護にできないこと

訪問看護にできないことは、以下の4つが挙げられます。

1. 家事

2. 薬の受け取り、預かり

3. 付き添い、送迎

4. 自宅以外でのケア

上記の詳しい説明と対応策について以下で紹介します。

1. 家事

訪問看護師は一般的に家事に当たる掃除、洗濯、調理、買い物、洗濯などは業務範囲外となります。

ただし、許容される家事のような看護師の関わりもあるため、以下の紹介します。

・体調管理の観点から利用者さんやその家族が調理する場面に立ち合い、助言する

・嚥下障害のある利用者さんの食形態を適した形状に調整し、(ペーストやとろみなど)直接嚥下評価を行う

・利用者さんの安全確保のために、ベッドサイドや動線内を最小限度で整理整頓する

・排泄ケアによって汚れてしまったベッドサイドや床の簡単な清掃をする

利用者さんやその家族より、家事を依頼された時の対応では、看護師ができない旨と訪問介護で家事のサービスを受けられることを説明しましょう。

その後、ケアマネジャーに報告、相談を行い、日常的な支援が必要かどうかのアセスメントをお願いしましょう。

2. 薬の受け取り、預かり

薬の受け取りは、本人または家族が行う事が原則となっています。

薬剤師は、利用者さん、もしくはその家族に対して処方薬の説明、質問を行う(服薬指導)ことが義務となっており、その権利を訪問看護師が代行する場合には、利用者さんやその家族からの同意書、受け取り時に本人、もしくは家族への電話確認をしなければいけません。

薬の受け取りを利用者さんやその家族から依頼された場合には、薬剤師が直接自宅に薬を届ける支援(在宅薬剤管理指導)やケアプランに基づいた訪問介護での生活支援があることを説明するか、看護師ができない旨を説明し、ケアマネジャーに相談しましょう!

薬の預かりは、訪問看護師の業務範囲外であり、「訪問看護における業務ガイドライン」にも、利用者またはその家族が薬を管理することが基本と記されています。

訪問看護師が行える服薬管理は、以下の3つとされています。

1.服薬支援
・利用者が薬を正しく服用できるように支援する。
・服薬のタイミングや方法を説明する。

2.整理と確認
・利用者さんやその家族の了承を得て、薬を整理したり残薬を確認したりする。
・飲み忘れを防ぐための記録をサポートする。

3.服薬アドバイス
・医師や薬剤師の指示に基づき、服薬に関するアドバイスを行う。

薬の受け取りを利用者さんやその家族から依頼された場合には、薬の保管が自宅で行うものであり、過剰内服などのリスクがある場合には、薬カレンダーの活用、利用者さんに見つからない残薬の保管場所の選定など、自宅内できる対策をしましょう。

利用者さんが服薬遵守できない状況に関しては、主治医やケアマネジャーへ報告、相談をすることも大事になります。

3. 付き添い、送迎

訪問看護は、医療保険または介護保険に基づく医療サービス(療養上の世話や必要な診療の補助)に限定されており、社用車での送迎や外出(受診など)の付き添いは「医療行為」に該当せず、保険適用外となってしまいます。

※保険適応外=保険を使って費用の請求ができない。

利用者さんやその家族に送迎や付き添いを依頼された場合には、利用者さんの身体機能、家族などの介護力を考慮し、以下の2つの方法を提案しましょう!

①車いすやストレッチャーでの移動が必要もしくは、家族などの送迎が難しい利用者さんの場合は、介護タクシー

※介護保険の適応外となり、全額自己負担。初乗り運賃:2kmまで約730円程度、以降300mごとに100円。もしくは、時間運賃制で30分ごとに3000円。ストレッチャー使用時は約2200円、リクライニング車椅子介助では約1100円。
例)自宅から病院までが2.5kmの場合、介護タクシーで送迎すると迎車費用+運賃+乗降介助費となるため、歩行可能:約1700円、車椅子使用:約2800円、ストレッチャー使用:約4700円が片道の費用と考えられます。

②家族の送迎ができるが、車の乗降介助が必要な医用者さんの場合は、訪問介護の通院等の乗降介助

イレギュラーな方法として、訪問看護ステーションの中には、保険外のサービスとして「自費受診同行」を行っていることがあります。

この場合、人工呼吸器・気管切開・吸引が必要、在宅で点滴や在宅酸素療法を受けている、認知症や精神疾患があり、受診時の専門的なサポートが必要などなど、高度な医療ケアが必要な利用者さんを対象としています。

4. 自宅以外でのケア

訪問看護は、在宅医療支援が目的であり、自宅以外の病院や施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム)、デイサービス利用中などにサービス提供ができない=保険請求ができません。

訪問看護でよくあるケースとしては、デイサービス利用中に体調不良となってしまった利用者さんに対して、帰宅後に訪問看護が介入することがあります。

体調不良になったからと言っても、自宅以外には緊急対応ができないのです。

例外としては、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホームなどの施設内看護によるケアがない施設の場合、訪問看護ステーションと契約することでサービス提供が可能となります。

まとめ

訪問看護には対応できることとできないことがありますが、それを補うための多職種連携が利用者にとってより良いケアを実現する鍵となります。

それぞれの専門性を活かしながら医師、ケアマネジャー、訪問介護などとの連携を深めることで、利用者とその家族が安心、安楽に在宅療養できるサポート体制を築けると思います。

訪問看護師として、多職種との協力を積極的に進める姿勢を大切にしていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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