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透析患者の在宅生活を支える訪問看護の役割

2025年3月24日

慢性腎不全などにより透析治療が必要な患者さんは、週に数回の通院が必要になります。

しかし、高齢や身体機能の低下により通院が困難な方も少なくありません。

そこで、透析患者さんが在宅で安心・安楽に生活できるよう、さまざまなサポートを行う訪問看護は、重要な役割を担っています。

そこで今回は、透析患者の在宅生活を支える訪問看護の役割について紹介します。

透析患者の在宅生活を支える訪問看護の役割

透析患者の在宅生活を支える訪問看護の役割には、以下の6つが挙げられます。

1. 体調管理

2. 食事と水分の管理

3. シャント管理

4. 服薬管理

5. 排泄管理

6. 家族支援

それぞれについて詳しく解説します。

1. 体調管理

透析を受けている患者さんは、体調の変化を見逃さないことが非常に重要です。

訪問看護では、血圧・脈拍・体温・呼吸状態のチェックを行い、浮腫や貧血の有無、感染症の兆候がないかなどを確認します。

特に血圧の変動や透析による影響で起こる体調不良を早期に察知し、必要に応じて医師へ報告することで、重篤な状態を防ぐことができます。

また、患者さん自身やご家族にも体調変化のサインを理解してもらい、異常を感じた際の対応方法について指導を行います。

異常を感じた際の対応方法

透析患者さんが体調に異常を感じた際の具体的な対応方法として、以下のような手順が考えられます。

症状の記録と観察

  • めまい、動悸、息切れ、むくみ、発熱、血圧の急激な変動などの症状を記録し、経過を観察します。

自己管理の確認

  • 水分摂取量や食事内容、服薬状況を振り返り、異常の要因を特定します。

速やかな医療機関への相談

  • 症状が軽度の場合は訪問看護師に相談し、必要に応じて医師の指示を仰ぎます。
  • 急激な体調悪化(呼吸困難、意識低下、強い胸痛など)がある場合は、救急車を呼ぶ判断を行います。

応急処置の実施

  • 低血圧の場合は足を高くして安静にします。
  • 高血圧の場合はリラックスし、過剰な塩分摂取がなかったか確認します。
  • シャントに異常(発赤・腫れ・痛み・血流の低下など)があれば、触らずに速やかに受診します。

2. 食事と水分の管理

透析患者さんにとって、食事と水分の管理は非常に重要です。

過剰な水分摂取は浮腫や心不全を引き起こすリスクがあるため、適切な水分量を守ることが求められます。

また、塩分やカリウム、リンの摂取量を適切に調整することで、合併症のリスクを軽減することが可能です。

訪問看護では、患者さんやご家族に具体的な食事指導を行い、制限を守りながらも楽しめる食事の工夫を提案します。

食事が負担とならないよう、簡単に実践できるレシピや代替食品の活用についてもアドバイスを行います。

代替食品の例

低ナトリウム調味料(減塩醤油、減塩味噌、低塩だし)

・カリウムを抑えた野菜(湯通ししたほうれん草やキャベツ、カリウム低減加工の野菜ジュース)

・リンを抑えた乳製品(低リンミルク、リンを抑えたチーズ)

・低カリウム・低リンのインスタント食品(専用の低リンパンや麺類)

・タンパク質調整食品(低タンパク米、低タンパクパン)

3. シャント管理

透析患者さんの多くは、血液透析を行うためにシャント(血管へのアクセス)を持っています。

このシャントの状態を良好に保つことが、スムーズな透析治療の継続には不可欠です。

訪問看護では、シャント部位の感染予防や閉塞の早期発見を目的とした観察を行い、血流の確認や異常の有無を細かく評価します。

また、透析患者さんは皮膚が乾燥しやすいため、保湿ケアの指導や皮膚の状態に応じたスキンケアのアドバイスも行い、皮膚トラブルを未然に防ぎます。

4. 服薬管理

透析患者さんは、リン吸着薬や降圧薬、貧血治療薬など、複数の薬を服用することが一般的です。

訪問看護では、服薬スケジュールを管理し、患者さんが正しく服用できるようにサポートします。

また、副作用や飲み合わせによる影響を観察し、必要に応じて医師や薬剤師と連携を取りながら、安全な薬物療法を支援します。

さらに、服薬コンプライアンスの向上を目的として、患者さんに合った服薬管理方法を提案します。

たとえば、服薬カレンダーの作成や、ピルケースの使用、服薬アプリの活用などを推奨し、患者さんが薬の飲み忘れを防ぐ工夫をします。

また、嚥下障害のある患者さんには、粉砕やゼリー化などの対応が可能か医師や薬剤師と相談し、適切な方法を提案します。

5. 排泄管理

透析患者さんは、尿量が減少することが多く、便秘や排尿障害が問題となることがあります。

訪問看護では、便秘予防のための食事指導や適切な水分摂取のアドバイスを行い、排泄パターンの確認や下剤の調整について医師と連携を取ります。

また、おむつを使用している場合の皮膚トラブルの予防や、適切な排泄介助の指導も行います。

6. 家族支援

透析患者さんを支えるご家族の負担も大きいため、訪問看護では家族支援にも力を入れています。

介護方法の指導や、介護負担を軽減するための工夫を提案し、必要に応じて介護サービスの利用調整を行います。

また、患者さん本人だけでなく、ご家族の精神的な負担を軽減するための相談やケアも行い、安心して介護が続けられるようサポートします。

まとめ

訪問看護は、透析患者さんが自宅で安心して生活できるよう、多方面からサポートを行う大切な役割を担っています。

体調管理やシャントのケア、食事・水分・服薬の管理、さらには精神的ケアや生活支援、排泄管理や創傷管理、家族支援まで、患者さんのQOL(生活の質)を向上させるための支援を提供します。

訪問看護の活用により、透析患者さんがより快適に日常生活を送れるようになることを目指していきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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