なぜなら、病状や生活パターン、その方の周囲のサポート体制が異なるからです。
今日はケース別におすすめの頻度をご紹介します。
今は特に身体的な症状が少なく、また複雑な治療が必要のない方でも現在の状態を維持するための支援が可能です。
例えば、定期的な健康チェックや受診状況の確認、受診結果をもとに必要な栄養指導や服薬指導が可能です。
ある程度ご自身で管理ができる方の場合は、月1回~隔週の訪問でサポートが可能です。
今まではご自身で様々な管理が行えていた方でも体調を崩したり、物忘れが出てきたりすると他者のサポートが必要になってきます。
ご家族や周囲の方がその役割を担ってくれることもありますが、訪問看護による内服管理も可能です(詳しくは「訪問看護での内服管理」ブログをご覧ください!)。
お薬をお薬カレンダーなどにセットして、服用できているかの確認が必要な場合はお薬セットのタイミングに合わせて訪問を組むと良いですね。
1人暮らしや日中1人になってしまう方で、更にご自身で取り出して飲むことが難しい方の場合は、他の在宅サービスとも連携しながら毎日服用できるような支援が必要です。
デイサービスやヘルパーさん等の利用日以外で看護師訪問を組んでみるのはいかがでしょうか。介護保険での看護師訪問となると単位数が大きくなってしまいますが、服薬介助や状態観察であれば30分訪問でケアが可能です。
在宅ケアで比較的多いのが褥瘡ケアです。
発赤が消えないまま続いてしまっている状態も褥瘡に含まれます。
褥瘡処置が必要な方については、処置の頻度に合わせて訪問します。
軟膏処置やガーゼなどの交換が必要な場合は、その処置の頻度に合わせて訪問するのが良いでしょう。
最近では交換頻度が少なくて良い貼付剤が多数出ています。
褥瘡の状態が軽度であれば、こういった貼付剤を使用することで1週間貼り換えせずに済むことがあります。
外用薬や貼付剤の種類によって、毎日の訪問が必要な方や1週間に1回の訪問で良い方もいらっしゃいます。
また、褥瘡になりやすい方のための予防ケアには週1回程度で皮膚の観察や保清、栄養状態の改善に向けたケアが可能です。
認知症の段階によっても訪問頻度は変わってきます。
認知症の初期では月1~2回程度として、身体面と認知面の状態をチェックしていくのが良いでしょう。
中期になると日常生活の困り事が増えてきます。
介護者の方の不安や悩みも増えてきます。
人によっては周辺症状が強くなります。
混乱が少なく生活できるようなアドバイスや、医療機関との連携、身体面の健康管理も含めて週1回程度をお勧めします。
認知症後期になってくると、ご本人は体調変化について他者へ伝えることが困難となります。
また、食事摂取や排泄に関する問題も増えてくるため、身体面への影響も大きくなります。
介護者の方の疲労も強くなる時期です。
ご本人の体調管理に加えて、介護者の方の療養相談、ご本人の全身状態が低下している場合は安楽に過ごせるようケアを行います。
通所サービスやショートステイも併用しながら、看護師は週1~2回をお勧めします。
まずは利用者さんの生活パターンをもとにケアの頻度を決定してみてはいかがでしょうか。
もともと毎日入浴されていた方は同程度の頻度を希望されると思います。
しかし、介助を必要とする状態ということは体力的に毎日の入浴はかえって負担になるかもしれません。
また、利用者さんやご家族の希望に合わせた回数でも良いと思います。
以前、90歳を越える利用者さんの希望で週3回訪問したことがありました。
入浴介助は当然行いますが、高齢でもあり身体面の変化に早期に気付くことができたことがありました。
「訪問看護での入浴介助について」のブログも是非参考にしてみてください。
すでに全身状態が低下している状態にあります。
ご本人やご家族の意思を尊重し、希望をできるだけ叶えて差し上げたい。
病状の変化も著しいため、状態の観察や安楽に過ごせるよう適切な薬剤の使用が必要となってきます。
1日おきの訪問や状態によっては毎日の訪問をお勧めします。
訪問看護は利用する保険により訪問できる回数が決まっています。
医療保険で訪問する場合は、週3回と決められています。
ただし、「厚生労働大臣が定める疾病」や特別訪問看護指示書が発行された場合は週何回でも訪問が可能です。
また、パーキンソン病関連の疾患、多系統萎縮症は症状によって週3日を超えて訪問することが可能です。
このように、医療保険での訪問回数については個別の状態により異なるため、訪問看護ステーションにご相談してみることをお勧めします。
一方で、介護保険を利用して訪問する場合は利用回数に制限はありません。
ケアマネージャーさんの作成するケアプランに組み込まれた頻度で訪問することが可能です。
望ましい訪問頻度はありますが、個別で抱えている様々な背景もあると思います。
今回の解説にないケースで、訪問頻度についてお悩みの場合は是非ご相談ください。