訪問看護では、病気や障害があっても住み慣れた自宅で安心・安全に生活するための支援を行っています。
訪問看護の支援の中には、病状や障害の観察やと健康管理、清潔・排泄などの生活ケア、医療的処置だけでなく、”リハビリ”があります。
今回は、訪問看護からのリハビリについて紹介します!
訪問看護からのリハビリ内容は、以下の3つが挙げられます。
①心身機能の維持・向上
②日常生活動作の練習
③介護負担の軽減のためのアドバイス
それぞれについて紹介します。
訪問看護の心身機能の維持・向上では、他動運動、自動介助運動、自動運動の3つのパターンを行います。
他動運動では、ベッド上で寝たまま、もしくは座った姿勢で看護師が身体を動かしたり、ストレッチしたりして、関節が固まってしまうことを予防します。
自動介助運動では、手や足を看護師が持って利用者さんと一緒に身体を動かし、自動運動では利用者さん自身が身体を動かすことで関節の動きを改善させます。
利用者さん自身が身体を動かす運動として、アスエイドオリジナル体操があります。
アスエイドオリジナル体操は、訪問時に看護師と一緒に行ったり、利用者さんの自主トレーニングとして実施しています。
訪問看護の利用者さんは、人それぞれ住み慣れた環境が異なり、ベッドで寝る人もいれば、布団で寝る人もいます。
ダイニングテーブルとイスで食事する人もいれば、掘りごたつに入って食事する人もいます。
そのため、ベッドからの起き上がり、食事、着替え、入浴、排泄、歩行、床からの立ち上がりといった日常生活動作を、実際の環境に合わせて練習を行います。
日常生活動作の練習のうち、最も多いのが歩行・移動の練習であり、約8割を占めています。
入院中には車椅子を使用していた方でも、いざ自宅で生活してみると廊下幅が狭い、曲がり角が多いなどの理由から車いすを使うことが難しく、歩行リハビリを希望される方が多くなります。
訪問看護の利用者さんの多くは65歳以上の介護保険受給者であり、主介護者も同世代となるため、介護負担の増大が在宅生活の継続困難を引き起こしてしまうことが多々あります。
そのため、訪問看護からのリハビリでは、利用者さんの身体状況と合わせて、生活環境や介助者の介護力についても観察・評価を行います。
例えば、ベッドから立ち上がれない大柄の男性利用者さん、主介護者が小柄な妻の場合。
看護師が身体介助しながら立ち上がりの練習を行ってしまうと、主介護者の妻が再現することが難しくなります。
そこで、生活環境としてベッドサイドに置き型手すりを置くことを提案し、手すりを掴まって立ち上がる練習を行ってきます。
今回は、訪問看護からのリハビリについて紹介しました。
訪問看護からのリハビリでは、利用者さん自身が自宅で安心・安全に過ごせることだけでなく、主介護者も安心・安全に過ごすために行っていきます。
訪問看護師がリハビリをメインに行うという機会は少ないですが、看護業務の合間に利用者さんと一緒に身体を動かしたり、自宅内や屋外を歩く運動を行うことで、利用者さんが活き活きとして過ごせると思います。