訪問看護とは、病気や障害をある人が安心・安楽に自宅で療養生活を送れるように、看護師等が医師の指示書のもとにケアを提供していきます。
そんな訪問看護が行う”生活ケア”について紹介します!
訪問看護が行う”生活ケア”とは、身体の清拭、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの日常生活の介助を行ったり、指導することになります。
身体の清拭では、体力が著しく低下して入浴できない利用者さんに対して暖かく濡らしたタオルで身体を拭き、血行促進と皮膚の清潔を目的に行います。
洗髪も清拭と同様の入浴できない利用者さんに対して、ベッド上で行います。
入浴介助では、呼吸器疾患や心疾患により体調変化が起きやすい方、褥瘡や創傷により医療的処置が必要な方、人工肛門のパウチ交換がある方など、医療的な管理が必要な利用者さんに対して行うことが多いです。
訪問看護の入浴介助に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、読んでみてほしいです!
食事介助では、咀嚼・嚥下がスムーズにできなくなった利用者さんに対して、安全に食事ができるように評価をしながら行います。
評価では、食事の姿勢、椅子やテーブルなどの食事環境、歯槽膿漏や虫歯などの口腔内の環境、腹痛や胃のむかつきなどの消化器症状などを確認し、利用者さんのペースで楽しく食事ができるようにサポートします。
排泄介助では、排泄動作が不安定になった利用者さんや便秘になっている利用者さんに対して、動作と環境の評価を行いつつ、おむつ類の選定も行います。
立位や歩行が不安定で入浴困難な利用者さんに対して、看護師が週に1回、リハビリや清拭ケアを中心に行っていました。
訪問看護の日、バイタルサインの問題がなかったが、下腿から足部にかけて冷感が強くなっていました。
家族から最近の話を聞いてみると、「最近、食事をあまり食べない。」、「自分で立てなくなっており、介助が大変になっている。」との情報がありました。
そこで、いつもの清拭のケアの前に足浴を実施し、その後にリハビリに取り組むようにしてみました。
結果として、足の血流が改善するとともに足の力も発揮できるようになり、介助負担の軽減が
図れました。
家族の全介助で生活している利用者さんに対して、看護師が週に2回、体調や服薬の管理を中心に行っていました。
訪問看護の日、利用者さんの食事摂取量が減少してきたと家族から相談がありました。
採血結果でも栄養状態の低下が見られたため、実際に食事の様子を観察すると、利用者さんが食事中になかなか口を開けない様子が観察されました。
痛みや炎症がないか、口腔内を見てみると口の中に痰や食物残渣が付着していました。
口の中に汚れが付着していると、舌の感覚(味覚や温度など)も低下し「食べたい」という意欲の低下につながります。
看護師が口腔ケアをしてから食事を始めると、少しずつ食べてくれるようになりました。
今回は、訪問看護の内容から”療養のお世話”について紹介しました。
看護師が在宅で行う”療養のお世話”では、利用者さんの「○○やりたい」、家族の「○○できるようになってほしい」というニーズを理解しながら、それぞれの利用者さんの体調や病状、障害に適した介助を行います。
訪問看護師が行う”療養のお世話”では、自立支援や安全な介助方法の確立を目指します。