訪問看護の利用者さんは多種多様の疾患の方がいますが、脳血管疾患の割合が全体の12%で最も多いと言われています。
※訪問看護の現状とこれから 2023年度 参照
脳血管疾患とは、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など脳の血管に問題が生じた疾患であり、全体の90%が65歳以上で発症します。
そのため、発症後は介護保険で訪問看護や通所介護などを利用して在宅療養をする方々が多いです。
そこで今回は、脳血管疾患への訪問看護について紹介します。
脳血管疾患への訪問看護では、以下の6つを行います。
1.健康管理
2.服薬管理
3.日常生活ケア
4.リハビリテーション
5.環境調整
6.多職種連携
それぞれについて、以下で詳しく解説します!
脳血管疾患の利用者さんの健康管理では、バイタルチェック(血圧、脈拍、体温など)と合わせて再発予防を行います。
脳血管疾患の再発予防では、良い生活習慣が重要です。
具体的には、以下の4つがあります。
・健康的な食事
抗酸化(血管を柔らかくする)作用のある野菜や果物、ナッツを積極的に摂取する
油は、マーガレットやサラダ油のような飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を極力減らす
魚を食べる
・高血圧の管理
塩分の過剰摂取を避ける
十分な水分摂取
・適度な運動
週に150分程度のウォーキングや体操
筋力トレーニングも効果的
・適度なアルコール
アルコール摂取は、血液の凝固性を増加させてしまい、血流が悪くなってしまう。また、血圧上昇も起こるため、飲み過ぎは注意が必要。
適切なアルコールでは、ビール500㎖以下、ワイン200㎖以下が良い。
・禁煙
煙草に含まれるニコチンが交感神経を優位にし、血漿エンドセリンが血管を収縮させてしまうため、血圧上昇させる。
・体重管理
男性よりも女性で体重増加による脳血管疾患のリスクが高まる。
脳血管疾患の利用者さんは、抗凝固剤や抗血小板剤、降圧剤を内服しており、医師の指示通りに内服できているかの確認が必要です。
訪問看護では、必要に応じてお薬カレンダーやボックスの利用、薬の一方化の提案をすることがあります。
脳血管疾患の利用者さんは、片麻痺により日常生活で介助が必要となることがあります。
訪問看護では、脳血管疾患の利用者さんに対して入浴介助を看護師が行う事が多く、その他の移乗動作やトイレ動作、更衣動作などの介助は、家族に介助指導を行います。
入浴介助に関して詳しく知りたい方は、以下のブログを参照ください。
訪問看護での入浴介助について紹介します。 – 訪問看護ステーション | アスエイド (asaid.net)
脳血管疾患の訪問看護で最も要望が多いのが、リハビリテーションです。
訪問看護では、利用者さんの身体機能、生活環境、生活圏(屋外)に合わせた実践的なリハビリテーションが行えるため、明確な課題や目標を設定できます。
リハビリテーションでは、関節可動域訓練、筋力やバランスを向上させる運動などの身体機能への関わり、立位や歩行の練習、トイレ動作練習、外出練習などの生活機能への関わりを中心に行います。
脳血管疾患の利用者さんは、運動・感覚麻痺、高次脳機能障害などの多彩な症状により、転倒リスクが高い傾向があります。
そのため、日常生活を安全かつ快適に過ごせるように動線には手すりや歩行器、段差解消のスロープなどの設置をしたり、福祉ベッドやシャワーチェア、滑り止めマットの用意など、利用者さんの身体機能に応じた環境調整が必要になります。
また、利用者さんの動線確保のために家具の配置変更、日中に独居となる場合には緊急呼び出しシステムの配置などを提案することもあります。
脳血管疾患の利用者さんは日常生活で介助が必要となり、訪問看護だけでなく、ケアマネジャー、訪問介護、デイサービス、通所リハビリテーション、訪問入浴など、様々な介護事業者が関わることが多いです。
すべての介護事業者は、利用者さんが自宅で安心、安楽に生活できることを目標に支援しているため、多職種連携することでよりオーダーメイドなサービス提供ができると思います。
訪問看護師は少し話しかけにくい、怖いと言ったイメージを持たれやすいので、日々の体調や生活状況、自宅生活での課題などについて他事業所、多職種に積極的に報連相を行えれば良いと思います。
今回は、脳血管疾患への訪問看護について紹介しました。
脳血管疾患の多くは、65歳以上の高齢者で発症すること、生活習慣での予防することが重要であるため、訪問看護師は体調と生活状況を包括的に評価、ケアする必要があります。
また、身体機能の障害、高次脳機能障害、生活環境により、日常生活の介助量が大きく異なるため、利用者さんの残存機能を生かす、そして、家族ができる介助を見極めた生活支援を行います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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初めての訪問看護で自信がないという看護師さんでも、是非、アスエイドで一緒に働いてほしいと思います!
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